世の中の基本的なことの再確認

浅学者が暇つぶしに恥をかくブログ

旅情

  故あって伊豆大島に行った。前々から行きたかったのだが色々予定が合わずに結局行けず、もう大学も終盤戦という時に行くことになった。 詳細は省くが、実に良いところだった。結局僕は田舎町を目指しているんだと思う。伊豆大島桃源郷ではなかったが、僕の精神を休ませてくれるには十分すぎるほどだった。

 

 帰りのフェリーを待つ間、f:id:von_schwerin:20190224120438j:image
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ぼんやりとここで海を眺めていた。赤い石ころが沢山波打ち際に転がっていて、それを拾おうとしたら波に靴を濡らされた。靴下まで濡れてしまったので靴を脱いで、堤防に座り込んでいたのだ。

 赤い石ころは綺麗だった。形は不恰好だったが、赤黒い色が魅力的に思えた。

 海は綺麗だった。奥に見える岩肌をつたって行ったらどのような景色が見えるのか、鳥が大量に留まっている離れ岩に、歩いていけばいけるのでは無いかと色々な考えが頭に浮かんできた。

 そうしてぼんやりと海を眺めているとふと、フェリーの出航時刻が近いことに気がついた。僕は濡れた靴を履いてゆっくり立ち上がり、赤い石をまじまじと見つめた。

 

 

 あぁ僕がもう少し子供なら、この石ころを持ち帰るのに。僕がもっと子供だったら、今すぐ服を脱いであの岸壁の向こうまで泳いで行くのに。

 

 そんなことを考えながら、僕は海に背を向けて、赤い石を投げ捨て波止場へと歩き始めた。

 

 大体そんな感じの、散歩でした。